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不妊症とは

世界保健機関(WHO)によると、「生殖可能な年齢にあるカップルが、避妊期間を除いて12ヶ月以上経過しているにもかかわらず妊娠に至らない状態」と定義され、日本産婦人科学会でも平成27年(2015年)に、妊娠に至らない期間を2年間から1年間に短縮して考えられるようになりました。

一般的に避妊をせずに夫婦生活を続けた場合、1年後には80%、2年後には90%のカップルで妊娠するとされています。

現在、不妊で悩んでいるカップルは約10組に1組とされていますが、近年は結婚する年齢や妊娠を考える年齢が上昇していることもあり、この割合はもっと高いと考えられるでしょう。

国や自治体でも体外受精・顕微授精を受けている方を対象に、助成金を受けることのできる「特定不妊治療費助成制度」を設けるようになりました。

不妊には様々な原因があると考えられています。

WHO(世界保健機関)が発表した不妊症の原因の統計では、41%が女性側、24%が女性男性ともにあり、24%が男性側、11%が原因不明となっています。

しかし、女性の不妊症に影響するとされる子宮内膜症や子宮筋腫などがあっても妊娠に至ることもあり、実際には原因不明の不妊は統計の数字よりも多いことが考えられ、不妊症の半分は原因不明だと考える産婦人科医もいます。

不妊と漢方

漢方が最も盛んだった江戸時代を代表する処方集『古今方彙(ここんほうい)』の出典の1つである、『女科証治準縄(じょかしょうじじゅんそう)』という明の時代の医学書には、「求子」という項目があります。

子を求める、つまり不妊で悩んでいることを指します。

そこには、「医の上工は人の子なきに因って、男を語るときは即ち精を主となし、女を語るときは即ち血を主とし、論を著し方を立て、男は腎を補うを以て要となし、女は経を以て整えるを先となす。」とあり、上手な医師は男性には精をつけ、女性には月経を整えることによって妊娠を促すと述べています。

また、寿元堂薬局のルーツでもある森田幸門(もりたこうもん)先生も、その著『金匱要略医学入門』の中で「求子の法は調経より先きなるはなし」と述べており、女性の月経を整えることの大切さを述べています。

母体を整える漢方薬

昔から妊娠するためには、「月経を整えること」を1番に考えられていました。

寿元堂薬局に不妊の相談に来られる方は、不妊治療中の方やそうでない方がいますが、やはり月経を整えることを目標に漢方薬を選んでいきます。

女性の月経に関する異常を改善することは漢方の得意分野です。

適切な漢方薬を服用すれば、徐々に月経周期や経血量が次第に減って体が整っていくでしょう。

子宮内膜症や卵巣嚢腫などが治ることも少なくなく、たとえ無月経や無排卵でも、根気よく漢方薬の服用を続ければ改善する可能性が十分にあります。

また、はっきりと自覚ができる月経異常がない場合もあります。

そのような場合は治したいと思うような月経の不調はなく、西洋医学の検査でも異常は見つかりません。

しかし、何らかの体調不良を漢方で改善する過程で、月経がよりよく整っていきます。

卵管が2つとも詰まっている、重度の無精子症などの決定的な器質的障害がない場合には、漢方を試してみる価値はあるでしょう。

漢方薬を試す期間

漢方薬を試した方が妊娠するまでの期間はそれぞれです。
2週間~1ヶ月服用して妊娠した例もあれば、無排卵の女性が数ヶ月漢方薬を服用して、そのまま月経がなく妊娠した例もあります。
また、2年ほどの期間を経てやっと結果が出た、という方もいます。

多くの場合は1~2年を目安に服用すればよいでしょう。

結果が出ないと途中で漢方薬を飲む気持ちがなくなってしまうこともあると思いますが、他人と比較せず自分のペースで試しましょう。

これは不妊以外の病気でも同じ事が言え、漢方でも西洋医学でも悩んでいる症状を治める上で大切なことです。

また、最近では漢方外来も増えてきて、手軽にエキス製剤を試すことができます。

月経に関する異常があって2~3ヶ月漢方薬を服用して月経の様子に変化がなければ、もしかすると漢方薬の力が足りないのかもしれません。

漢方薬は複雑で、西洋医学の薬のように薬効成分が単一でありません。

同じ漢方薬でも剤型と原料の品質によって効果が大きく異なります。

西洋医学の治療で結果が出ない場合は次の治療段階へとステップアップするように、漢方薬のエキス製剤を試す場合も期間を決めて結果がうまく出ないようであれば、漢方の専門家に相談して漢方薬のかたちを変えてみたり、原料の品質にこだわった漢方薬を試してみてもよいかもしれません。

不妊で悩む人にとって、時間は貴重なものです。

西洋医学の不妊治療でも、通常はタイミング療法を一定期間試してから次の段階にステップアップしていきますが、不妊の原因や年齢によってステップアップするまでの期間を短縮することがあります。

後悔のないよう漢方薬の剤型や効き目の違いを正しく知って、漢方も上手に利用しましょう。