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増える冷え症

1957年に東京大学の教授によって調査された日本人の平均体温は、36・89度。その後、2008年にある民間企業で行われた調査によると、成人した日本人の平熱は36・14度だといいます。

寿元堂に相談に来られる方でも、平熱が35度台で、冷えを感じている方が以前よりもずいぶん増えています。
病気や体調の不調で悩んでおり、体全体あるいは一部に冷えを感じている人は、男女ともに多く、冷えると悪化する病気や症状で悩んでいる人も多いものです。

また、本人は冷えを自覚していない冷え症、夏の冷え症の人も少なくありません。

西洋医学で対応が難しい「冷え」

西洋医学では「冷え症」の診断基準はなく、対応が難しいものの1つです。

冷えは感じる原因の1つは血行不良と考えられていますが、西洋薬で血行が改善しても冷えを感じる場合もあります。触ってみて冷たいということも1つの指標ですが、本人の自覚症状としての冷えは漢方では見過ごすことはできません。

漢方の「気血水」の考え方で、気の滞りは西洋医学では自律神経の失調につながります。ストレスを感じると自律神経は乱れやすく、ストレス社会といわれる現代に生きる人は、様々なストレスの影響を受けています。
また、血の滞りは西洋医学ではホルモンの失調や血液循環が悪いものを含みます。心臓の働きが弱い人や、血管が細くて血液が流れにくい人は、血液循環が悪く冷え症になりやすいのです。
そして、水の停滞は水毒、水滞などといい、血液以外の体液の循環不良をあらわします。この漢方の水毒という概念での冷えの症状は、西洋医学の考えではまだよく理解されていないようですが、漢方医学では水毒がある場合は冷えの影響を受けることが多いと考えられています。

また、一言で冷えと言っても、その感じ方は人によって異なります。

全身が冷える、体の特定の1部分だけが冷える、手足が冷える、腰が冷える、お腹が冷えるなど、冷えを感じる部位や範囲はさまざまです。

漢方の古典の中でも水の中に座っているように冷える、氷をあてているように冷えるなど色々な表現が出てきます。

冷えが気になる方は

生活も見直しを

冷えの原因には、外因と内因が考えられます。

外因の原因は、クーラーなどの冷房によるもの、住んでいる土地の気候によるものなどがあります。内因としては、食物によるもの、体質的なもの、心因的なものなどが挙げられます。

外因の要素を取り除くことは困難ですが、内因の1つである食物が比較的見直しやすいでしょう。

そもそも農耕民族である日本人は、あまり生ものを食してきませんでした。日本人の体は熱エネルギーを産生する能力が低く、外界や摂取した食物による影響を受けやすい体質になっています。
一方、狩猟民族である西洋人は、肉食を主として、果物や野菜を日常的に生のまま食してきました。彼らは熱エネルギーを産生する能力が高いといわれています。
このように、民族によって体の代謝の状態が異なります。

現在、日本では「食の欧米化」が定着しているばかりでなく、薄着の一般化や、夏はもちろん冬にまでアイスクリームやジュースなど冷たいものを過度に摂取しています。このような環境では、男女を問わず「冷え症の人を大量生産している」と言っても過言ではありません。

冷えの気になる方は、私たちの体質に合った昔ながらの日本の家庭料理を見直してみてはいかがでしょうか。

近年の夏は暑さは厳しく、冷たいものが美味しいですよね。

ですが、冷たいものの取り過ぎは体の中から冷やしてしまいます。

冷房、薄着、冷たい食べ物、夏こそ冷え症の季節といってもよいでしょう。

私は昔冷えがひどかったので、夏でも冷たいものは控えるようにしています。

冷えの気になる方は、漢方薬を服用するだけでなく、併行して生活環境や習慣の見直しをすると改善の近道になるでしょう。